陣痛促進剤を使うと言われたら?陣痛促進剤を使う!?詳しく教えて!!

 

陣痛促進剤を使うと言われたら?陣痛促進剤を使う!?詳しく教えて!!

陣痛が微弱でお産が長引く場合や、破水後なかなか陣痛が始まらないなど赤ちゃんに影響が及ばされる場合は、「陣痛促進剤」が使用されます。

出産が間近に迫ってきて、「陣痛促進剤」の存在を初めて知った人も多いと思います。

私自身、一番上の子が出産予定日を経過して41週を越す頃に入院日を決められ、陣痛促進剤の名前を聞きました。

聞いただけで率直に怖いと感じたのを覚えています。

聞いただけで印象が怖いとなる「陣痛促進剤」。

実際に使うとなった時に慌ててしまわないように、その効果やリスクについて「陣痛促進剤」を事前に知っておくと、少し心に余裕ができるかもしれません。

ここでは、どんな時に使用されるのかどんなものなのか、進め方など「陣痛促進剤」について解説していきます。

陣痛促進剤とは

陣痛促進剤とは

陣痛促進剤とは、「子宮収縮を促して陣痛を引き起こす薬」のことです。

出産予定日を過ぎても陣痛が始まらない、破水したのに陣痛が始まらない、陣痛が始まったのになかなか強くならずに出産が長引く、などの状況になったとき、薬の力で陣痛を引き起こします。

「陣痛誘発剤」と呼ばれることもあります。

陣痛誘発剤と陣痛促進剤の違いとして簡単に説明すると、薬を使用する前の段階で「陣痛があるか、ないか」の状態により「陣痛促進剤」か「陣痛誘発剤」かが変わってきます。

投与方法は錠剤・注射を用いる点滴の両方のやり方があります。

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陣痛誘発剤

陣痛誘発剤とは、陣痛が来ていない段階で陣痛を人工的に引き起こさせる薬です。

子宮口の開き具合や柔らかさで薬を使い分けます。

出産予定日を2週間以上過ぎてもお産にならないと判断されたとき、妊娠を続けることで母体やお腹の赤ちゃんに危険がおよぶ可能性が高いと医師が判断したときや、あるいは仕事の都合や無痛分娩など、いわゆる「計画分娩」の際にも使用されます。

陣痛促進剤

すでに陣痛がきているが、なかなか強くならないときや、その後弱くなってしまったり、強くならなかった時の手助けとして使用します。

自然分娩では規則的な陣痛が始まると、時間が経つに従いその起こる間隔は短くなり、強さは増していくのが普通ですが、規則的な陣痛が起こり始めたものの途中でその周期が長くなったり持続時間が短くなったりしてしまい、そのままでは出産に至らない場合に使用することが多いです。

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種類と効果

種類と効果

陣痛促進剤には、子宮収縮を促す作用のあるホルモンである「オキシトシン」「プロスタグランジン」が成分として含まれています。

基本的にオキシトシンとプロスタグランジンが併用されることはなく、どちらかを使って効果が見られなかった場合に、数時間置いてから使用していないもう片方が投与されます。

陣痛促進時はオキシトシン製剤とプロスタグランジン剤の2種類あり、妊婦さんと胎児の状況によって使用する薬剤を変えていきます。

オキシトシン(アトニン)

オキシトシンは、点滴注射で投与され、自然陣痛に近い子宮収縮を促すとされています。

オキシトシンは脳の下垂体後葉から分泌されるホルモンなので、分娩中は子宮からも分娩されています。

効果の出方は個人差が大きいですが、オキシトシンは使うことにより規則的な陣痛を起こすことができる薬剤と言われています。

オキシトシンには子宮の出口を柔らかくする(子宮頸管熟化)作用はないため、子宮頸管熟化を促すように別の方法を使用します。

なので、オキシトシンは子宮頸管が軟化していない場合はあまり効果が見られないという特徴があります。

ただ、使用開始から比較的早めに規則的な陣痛が起こるので、早急に赤ちゃんを娩出しなければならない場合には効果的とされています。

プロスタグランジン

プロスタグランジンは、点滴か経口投与の二通りの方法があり、経口投与では投与量を適量調整するのが難しいとされています。

子宮口をやわらかくする動きがあるプロスタグランジンは、お産が始まる傾向がない場合に特に有効とされています。

プロスタグランジンもホルモンとして分泌されて子宮口が柔らかくなる作用があります。

効果としてはオキシトシンに比べて個人差が少ないので、誰に対しても陣痛を引き起こしやすいという特徴を持っています。

また、使用開始直後には子宮収縮周期が明確にならないが、徐々にゆるやかな収縮が起こり始め周期が明確になってくるので、より自然な陣痛を起こすことができるのも特徴です。

出産時間の短縮は?

分娩にかかる時間は人それぞれですが、赤ちゃんの心拍が下がってしまったり、もう産まれてもよいのになかなか陣痛が来なくてお産が進まず母体の体力が著しく低下してしまったりすると大問題です。

できれば自然な陣痛がくるのを待つのがベストですが、時間がかかることによって生命の危険が生じるような場合には、陣痛促進剤を使用することで、スムーズな陣痛を起こし、短い時間で出産に臨むことができるとされています。

器具と使い分け

子宮口の開き具合や柔らかさで薬の使い分けを行います。

子宮口があいていない時は、ダイラバンやメトロ、ラミナリアというような子宮口を広げる処置を、前もって行うこともあります。

ダイラパンとは、子宮口が開かないときに使うスティック状の子宮頸管拡張器のことです。

メトロとは、メトロイリンテルと言い、風船のように膨らむ医療器具で、「バルーン」とも呼ばれています。

子宮口に入れたバルーンが膨らむことにより子宮口が広がり、分娩を促進する効果があります。

ラミナリアとは、乾燥した海藻でできた棒のよな器具で、子宮頸管に入れ、子宮頸管からの分泌液で膨張させて子宮口を開いていく方法です。

陣痛促進剤の副作用はあるの?

陣痛促進剤の副作用はあるの?
陣痛促進剤は、薬ということもあり、ママの身体へもむくみや頭痛、気持ち悪くなるなどの副作用はもちろんあります。

また、あくまでも人工的に陣痛を引き起こすものなので、当然リスクも伴います。

そのことも、きちんと理解した上で、どうしても使用したくないという場合は、事前に自分の気持ちを病院へ伝えておきましょう。

陣痛促進剤は、妊婦さんの同意の上で行われるものです。

ただし、陣痛促進剤を使うことで起きる危険よりも、使用しなかったために陥る危険の方が大きい場合もあるので、使ったほうが有効と医師が判断した場合は、よく説明を聞いた上で、同意しましょう。

陣痛促進剤を使った方が痛いって本当?

そもそもお産の痛みは個人差があるので、痛みについても一概には異なるとは言えません。

ただ、実際に陣痛促進剤を使用した人の体験談の中では、陣痛促進剤を使用したほうが、子宮口が開くまでの痛みが強くなるという声が多いようです。

準備が始まっていない子宮を人工的に収縮させるので、痛みが強く感じるのかもしれません。

初産で出産予定日が経過する人は多いようですが、逆もしかりで、初産は自然分娩だったのに2番目の時は出産予定日を経過して陣痛促進剤を使用したという経産婦の方もいます。

ただ、陣痛促進剤を使ってもそれほど痛みを感じなかった人もいるので、陣痛促進剤を使用しても使用しなくても、出産は痛みを絶対伴うものだと心の準備をしておきましょう。

代表的な副作用「過強陣痛」とは?

自然な陣痛は、身体の状態に合わせて適度な強さで起こるものですが、陣痛促進剤では、投与された分だけ陣痛が強くなります。

すると、子宮はどんどん収縮しようとして締め付けがひどくきつくなります。

その結果、胎児を圧迫して「胎児機能不全」を起こす、あるいは「子宮破裂」や「子宮頸管裂傷」を引き起こしてしまう可能性がでてきます。

また、出産後に子宮が疲れ切って止血が行われなくなる「弛緩出血」が起こることケースもあります。

陣痛促進剤を使う場合は、そのリスクを回避するために分娩監視装置をつけた上で、子宮収縮の状態や血圧・脈拍など母体と胎児の様子を細かく確認しながら適量を投与し、危険な予兆があれば量を減らしたり、中止するなどの処置が行われる必要があります。

陣痛促進剤を使用すにあたって金銭的費用の問題

陣痛促進剤の費用は、病院や投薬された量・内容によるものの少なくとも1万円以上はかかるとされています。

薬がなかなか効かず、投薬量が多くなるとそれに比例して数万円になることも。

また、微弱陣痛などのトラブルで緊急的に使用された場合、保険適用となりますが、自然分娩を誘発する目的で使用されたときは、保険適用外となります。

個人で契約している医療保険は出る場合とそうでない場合があるので、加入内容によって異なるので保険会社に確認するようにしましょう。

陣痛促進剤は効かないこともある?

いざというときに使われる陣痛促進剤が効かないなんてことがあるのかと不思議に思うかもしれません。

しかし、陣痛促進剤も薬なので効き目には個人差があり、なかにはやはり効かない人もいるようです。

たとえば、子宮頸管に「熟化不全」が見られ、子宮の出口の部分が固く閉じたままの状態であると、陣痛促進剤が効きにくいケースがあります。

また、骨盤や産道が狭すぎて赤ちゃんが通り抜けづらかったりすると、陣痛促進剤を投与しても分娩が難しいこともあり、このような場合は、吸引分娩や帝王切開を検討することになります。

リスクは伴うとは言ったものの、つらい事故が起きたのも事実です。

ニュースでご存知の方もいるかもしれませんが、陣痛促進剤の投与のしすぎで、お母さんや胎児が死亡し控訴されている事件があるのも事実です。

また、陣痛促進剤と自閉症などの発達障害の関連性のメカニズムを疑う声も聞かれますが、関連性はないとはしているものの不安を覚えてしまいます。

母体や胎児を助ける手助けとなるはずの薬ですが、厳格なルールを守って初めて使用できるものです。

使用量を守り、母子の状態をしっかりと監視して使用すれば決して危険なものではないので、使用のリスクを含めてお医者さんとよく話し合うのことが重要になってきます。

 陣痛を引き起こそう

陣痛を引き起こそう

こない陣痛を引き起こすには薬だけではありません。

便秘が解消してきたら出産が近い!などの迷信もあったり、おしるしがあれば少しは出産が近づいているとわかるのですが、こればっかりは神のみぞ知るところです。

ですが、なるべく自然な陣痛と考えているお母さんも多いはずです。

陣痛促進剤に頼る前に頼らなくていいように自然な陣痛を促す方法をまとめてみました。

階段昇降

お産の現場では、ママたちが陣痛を促すために、助産師やパパと一緒に階段の昇り降りを行っている姿を見かけませんか?

スクワットや階段昇降など運動というより重力の力を利用すると、赤ちゃんが下に降りてきてお産が進みやすくなるといわれています。

陣痛体操

陣痛体操はひざを垂直に立てた状態で、仰向けに寝転びながら、ひざを90度に曲げて立てます。

両ひざをくっつけた状態で、左右の床にひざが付くように倒していくだけ。

左右数回ずつ行うことで、骨盤まわりの筋肉をほぐすことができるのです。

腰痛にもいいのでママの体調と相談しながら、行うといいかもしれません。

あぐらや四つん這いも陣痛促進につながる体勢だとされています。

出産予定日が近づいたら、あぐらで座ったり、四つん這いで雑巾がけをしたりして促していきましょう。

ツボ

三陰交(さんいんこう)という足のツボがあるのをご存知ですか?

三陰交は内くるぶしから指4本分以上にあるツボで、女性ホルモンの分泌を促す効果があるようです。

お産の現場では頻繁に使われるツボで、安産のツボとも呼ばれているツボです。

出産予定日が近づいたら、マッサージがてら、適度に押してみるといいかもしれません。

アロマ

クラリセージは子宮を収縮させ、陣痛を促す効果があるアロマといわれています。

落ち着きのある香りで、心身のバランスを取りたいときに使用する人も多いです。

使用法は、熱湯を入れたマグカップに数滴たらして香りをかぐだけで簡単にできます。

陣痛を促す食べ物はあるの?

陣痛を促進させる食べ物と聞いて「焼肉」や飲み物として「オロナミンC」を思い浮かべる人がいるかもしれませんが、こうした陣痛を促すといわれている食事に医学的根拠はありません。

焼肉やオロナミンCを口にしたタイミングで、陣痛が来た人が多かったためにジンクスとして広がったと考えられます。

お産を乗り切る体力をつけるためにも、栄養バランスの良い食事をとるようにしましょう。

卵膜剥離

卵膜とは赤ちゃんんを包み込んでいる薄い膜をさし、胎児を守り、羊水を保つ役割をもっています。

卵膜が破れて羊水が流れ出るのが「破水」であり、一般的には陣痛の前後で起こるとされています。

赤ちゃんが産まれると、卵膜も娩出されますが、この卵膜を病院の先生が人為的にはがすことを「卵膜剥離」と言います。

卵膜剥離は陣痛を促すための分娩誘発法のひとつです。

初産婦では妊娠40週~41週の妊婦健診時、経産婦では妊娠41週の妊婦健診時に、医師による説明とママの許可後に行われるようです。

子宮の下部に医師が指を挿入し、ぐるりと円を描くようにして子宮壁から卵膜を少しはがすよにします。

私も第一子の際に、予定日超過で「おまじない」と医師に卵膜剥離の説明を受けて行ってもらいました。

これで陣痛が起こるならと了承したのですが、痛かった、、、

出血も少しあるとの説明だったのですが、確かにトイレで少しつくぐらいでこの卵膜剥離がおしるしのことなのか?と思ったのを覚えています。

例:予定日経過の場合の進め方

例:予定日経過の場合の進め方

誘発分娩の流れは、母体や胎児の状況によっても異なりますが、ここでは一番多い「予定日経過」でのケースの流れを紹介します。

入院する日にちを決める

出産予定日を過ぎても陣痛が現れず、妊娠41週に入る頃になるといつ入院いするかなど誘発分娩を病院から言われます。

そして、子宮収縮剤の副作用などについて説明が行われ、誘発分娩を実施する日時を先生と相談して決めます。

なお、実施日の前に自然に陣痛が来て出産に至ることもあるので、その場合は自然分娩します。

入院をして陣痛促進剤を使用

病院によって異なりますが、誘発分娩の数日前に入院して体調管理をし、誘発分娩の予定日当日に陣痛促進剤を内服するか、点滴投与します。

点滴の際は、医師が分娩監視装置でモニター画像しながら、陣痛の間隔や強さをチェックしながら、1分当たりの適用な投与量を決めます。

バルーンを挿入→子宮口を開く

子宮頸管の熟化具合によっては、陣痛促進剤を投与しながら子宮口に小さな風船のよなゴム球のバルーンを入れて子宮口を広げていきます。

バルーンを使用するにあたって、まずは子宮口が2センチ以上開いているか、臍帯下垂ではないかの確認が必要です。

それらの条件を満たして初めて、バルーンが使用できます。

なお、バルーンの使用中はモニタリングを行い、妊婦さんや赤ちゃんの様子を常にチェックしながらお産を進めていくのが絶対です。

バルーンはしぼんだ状態で子宮膣内に入れ、挿入自体は1分ほどで終わります。

その後、様子をみながらバルーンの中に徐々に滅菌蒸流水を注入することでバルーンが膨らみます。

これらによって子宮筋が刺激されて、陣痛が起こり促進されたりします。

また、子宮筋を刺激するとプロスタグランジンのホルモンが分泌されることによっても陣痛が起こったり、促進されたり、子宮口も柔らかくなる作用があります。

こうして子宮口が4~5センチほどに開いていくと、バルーンは自然に外れるようです。

このころには陣痛がきていることが多いようです。

子宮口が全開後分娩台へ

子宮口が全開になったら自然に陣痛が来たときと同じように分娩台へ上がって出産に挑みます。

陣痛促進剤を投与している間は急な体調の変化が起きないよに、子宮収縮の状況、血圧や脈拍、胎児の心拍などをしっかり管理します。

例として、予定日経過を記載していますが、出産は十人十色です。

さまざまなストーリーがあります。

入院が決まり出産までをブログにしている方もたくさんいるので、どのようなパターンがるか見てみるのも良いでしょう。

陣痛促進剤を使用してすぐに陣痛が始まった人もいれば、何日も陣痛と戦ったお母さんもいます。

これから出産を控えているお母さんにとっては不安になるかもしれませんが、知ることによってやわらげることもできるかもしれません。

まとめ

まとめ

出産をスムーズに行うために必要な陣痛促進剤ですが、効果も副作用があるのも事実です。

できれば陣痛促進剤を使う必要なく自然に産みたいものですが、赤ちゃんのことを考えて使う必要があれば病院での説明をよく聞いて検討しましょう。

特に「過強陣痛」の話を聞いたり、人工的に陣痛を起こすという言葉を聞くことで、怖いイメージを抱く人もいますが、陣痛促進剤を使うことによって助けられる命があるのも事実です。

大事なのはどう産むのかではなく、ママの命と無事に赤ちゃんが産まれてくることです。

医師から「陣痛促進剤が必要」と言われたら、自然に陣痛が来ることを想像していたママは戸惑ったり、ショックを覚えたりするかもしれません。

しかし、それは医師がママとお腹の赤ちゃんの状況から、メリットとデメリットを考慮したうえでベストな方法を判断したからです。

陣痛促進剤をすすめられたら、医師の説明をしっかり聞くようにしましょう。

特に、なぜ自然な陣痛を待つよりも薬を使って分娩を進める方が有利になるのかを必ず聞くことが大事です。

また、他に有利な選択肢がないのかを確認しておく必要があります。

説明以外にも疑問や不安に思うことがあれば遠慮なく医師や看護師に確認し、落ち着いた気持ちで出産の日を迎えるようにしたいですね。